雑誌 Discover Japan の名建築カタログを眺めていた時、小金井市の公園の片隅に佇む 前川國男邸 が掲載されていました。
実はこの建物、当サロン meet hair に置いているシェードご縁があります。以前、私自身が現地(江戸東京たてもの園)を訪ねた際に撮影した写真とともに、今回はそのお話を少しだけ。

・雑誌Discover Japan掲載の前川國男邸
前川國男邸は、戦時下という「物がない時代」に建てられた建築家・前川國男の自邸です。前川氏は、あの ル・コルビュジエ のもとで学んだ、日本人建築家の第一世代。
限られた資材の中で、機能性と美しさをどう両立させるか。その問いに真正面から向き合った結果が、この住まいには詰まっています。

特に印象的なのが、メインのリビング(サロン空間)に下がるペンダントライト。
それが イサム・ノグチ の《AKARI》です。
空間に入った瞬間、柔らかな光がふわっと広がり、肩の力が自然と抜ける。大人になってから、この「緊張がほどける感覚」がどれほど贅沢か、身に沁みます。
・ミッドセンチュリーの定義を少しだけ
一般的に「ミッドセンチュリー」と呼ばれるのは、1900年代中頃、戦後復興期のプロダクトデザイン。
資材不足と人口増加という現実を背景に、「少ない材料で、効率よく、良いものを大量に届ける」ことが求められました。FRPなどの新素材を使った、軽くて壊れにくく、合理的で美しい家具や照明が数多く生まれた時代です。

一方でAKARIは、和紙・竹ひご・ワイヤーという、極めてプリミティブな素材。
同じ時代を生きながら、工業的なミッドセンチュリーの文脈では、あまり語られてきませんでした。でも今振り返ると、無駄を削ぎ落とし、修理しながら長く使えるAKARIは、驚くほど現代的。言い換えれば、今のSDGs的価値観を、何十年も先取りしていた存在だと思います。
・今でも愛されるAKARI
AKARIは「一般の人にも、デザインを身近に楽しんでほしい」という想いから生まれました。
少ない材料、シンプルな構造、それでいて空間の質を一段引き上げる力がある。20年前は今の価格の3分の1ほどでしたが、SNSや“Japandi(ジャパンディ)”ブームで注目された今でも、私は「それでも安い」と感じています。
流行っているから良い、ではなく、時間に耐えたものだけが残る。
40代になると、そんな価値基準に自然とシフトしてきますよね。

meet hair でも、シェードの模様替えをしました。
カットやカラーの時間を、少しだけ上質にしてくれる光。
ぜひ次回ご来店の際、AKARIのある空間を体感してみてください。髪だけでなく、気分までアガる時間をご用意して、お待ちしています。
![meet hair [ミーヘアー] 美容室](https://meethair2023.com/wp-content/uploads/2025/12/名称未設定のデザイン.png)
